棟瓦の積み直し工事の流れ

最終更新日

棟瓦

 

地震や台風の被害にあったときに倒壊のリスクを避けたり、見た目を良くするために必要になってくるのが棟瓦の積み直しです。
あまり聞く機会がないワードですが、実は大事なメンテナンスなのです。
棟瓦の積み直しは、大きく分けて温式工法と乾式工法の2種類があります

温式工法

温式工法は棟瓦を高く積み上げて完成させる和風建築に使われていることが多い工法で、別名大回し工法とも言います。
粘土や泥の水分を含んだ葺き土やシルガードを使う施工方法です。
流れとしては、現在使われている棟瓦を解体し、新しい鬼瓦を銅線で固定します。
その後、シルガード(南蛮漆喰)を詰めていき、のし瓦・冠瓦を並べて積み直したら銅線を巻いて固定します。
洋瓦の場合は工法が変わり、冠瓦一本伏せ工法という方法で施工します。
通常の瓦と同じようにまずは既存の棟瓦を解体した後、補強用の金物、芯材を取り付けます。
シルガードを詰めて冠瓦を並べて積み直し、冠瓦を芯材にビスや銅線で固定するという流れになります。

乾式工法

乾式工法は温式工法と違い、葺き土やシルガードを使わずに仕上げます。
現在の棟瓦を解体後、補強用の金物・芯材を取り付けます。
そして乾式雨戸を設置して棟瓦を並べて積み直し、丸瓦を芯材にビスで固定して完成です。

それぞれの費用

上記の工法は、それぞれ以下のような費用がかかります。

〇大回し工法は1㎡につき15000円くらい

〇冠瓦一本伏せ工法は1㎡につき13000円くらい

〇乾式工法は1㎡につき12000円くらい

これら以外にも漆喰などの処分費や管理費用、足場代が必要になってきますので、もし依頼するときには多めに準備しておきましょう。

棟瓦の積み直し以外にできる修理の方法

棟瓦の積み直し以外に修理したい場合は、漆喰を塗り直したり、部分的に棟瓦のズレを修理するという方法があります。
しかし、今後も長く棟瓦を持たせたい場合はこのような一時的な修理ではなく、積み直しのほうがコスパが良いと考えられます。

まとめ

棟瓦の歪みやひび割れ、漆喰の劣化があったときには早急に棟瓦の積み直しをしないと建物が崩壊してしまったり、雨漏りが起こる可能性があります。
落下した棟瓦が他の住民にぶつかったり、他の家に被害が起きてしまうということもあるかもしれません。
少しでも異変に気が付いたら棟瓦の積み直しを依頼しましょう。
また台風や地震の影響で歪んだ場合には火災保険が適応される可能性がありますので、事前に契約内容をチェックしておきましょう。

admin